Logicool G703h レビュー:かぶせ持ちマウスの傑作

ワイヤレス技術の進歩にともない近年のゲーミング業界はワイヤレス製品が増えてきました。とは言っても、まだまだ選択肢が少ないのが現状です。そんな中でLogicoolはワイヤレス製品を積極的に展開しているメーカーのひとつです。

今回レビューするG703hは、そんなLogicoolから発売されているワイヤレスマウスになります。このG703hは、最上位モデル「Logicool G PRO ワイヤレス」と同等のスペックを搭載してるにも関わらず、コストパフォーマンスのよさも相まって、とても評価の高いマウスです。

低価格、高性能、遅延も途切れもしないワイヤレスマウスを探しているならG703hを検討してみてはどうでしょうか。

製品仕様

Logicool G703hの仕様を見る

物理的仕様

サイズ68mm(幅)×43mm(高さ)×124mm(奥行き)
重量95g
ケーブル1.80m

トラッキング

センサーHERO 25K
解像度100~25,600dpi
最大加速40G
最大速度400IPS

感応度

USBデータフォーマット16ビット/軸
USBレポートレート1000 Hz (1ms)
ワイヤレス レポートレート1000Hz(1ms)
ワイヤレステクノロジーLIGHTSPEEDワイヤレス
マイクロプロセッサ32ビットARM

電池駆動時間

デフォルトライト約35時間
ライティングなし最長60時間

要件

Windows® 7以降
macOS® 10.11以降
Chrome OSTM
USBポート
インターネット接続環境(任意。Logicool G HUBのダウンロード時に必要)

保証

保証2年間

『Logicool G703h』を開封

『G703h』の外箱

同梱物

『G703h』の同梱物

Logicool G703hはコンパクトな箱に入っています。同梱物はマウス本体、LIGHTSPEEDワイヤレスレシーバー、10gウェイト、Micro USBケーブル、保証書類などです。

エルゴノミクスの美しい形状

『G703h』のデザイン
『G703h』は左右非対称のエルゴノミクスデザイン

G703hは左右非対称のエルゴノミクスデザインが採用された右利き用のワイヤレスゲーミングマウス。基本性能はHEROセンサー25K、LIGHTSPEEDワイヤレス、最長60時間のバッテリーと「G PRO ワイヤレス」と同等の性能を備えています。

本体サイズは幅68mm×高さ43mm×奥行き124mm、重量は95gと標準的な大きさと重さ。本体はプラスチックをベースにしており、マウスの両側面はラバー加工が施されたラバーサイドグリップが採用されています。落ち着いたマットブラックの色味と、なめらかな曲線を描いた美しいマウスです。

形状のベースは人間工学に基づいたエルゴノミクスデザイン。G703hの独自性は、なめらかな丸みとマウス後部に高さとふくらみがあること。右サイドは薬指と小指を添えやすいように傾斜がついており、左サイドは親指を置くためのスポットがあります。

指先から手の平まできっちりとマウスに密着する設計がされており、完璧にかぶせ持ち用のマウスであることがわかります。

ボタンはメインボタン、サイドボタン、ホイール、DPI変更ボタンの4箇所。メインボタンはそれぞれが独立したセパレートタイプ、サイドボタンはかなり大きめ、ホイールはラバー素材が使われています。

『G703h』の背面
10gの重りを付けることで本体重量を105gになる

背面は本体のオン/オフのスイッチ、重りを取り付けるスペースがあります。付属品に10gの重りがついており、この重りをマウス本体に取り付けることで本体重量を95gから105gに重量アップすることができます。

ソールは画像通りでU時のソールが前後についています。

クリック感や機能の使用感について

『G703h』の使用感

クリック感

メインボタンはセパレートタイプ。キレのいい軽さのクリック感と浅めのスクロールのため連続的なクリックもそつなくこなせます。ボタンはどこを押してもクリック感に差がないため指の置き場に困ることはないでしょう。

サイドボタンも軽めのクリック感です。ボタンは大きいので押しやすいですが、後ろのボタンは親指を折りたたむ必要があるため人によっては若干使いづらいかも…。

ホイールスクロールはなめらかなノッチ感で「カチカチ」というタイプではなく「カリカリ」としています。微調整もしやすいのでとても使いやすいです。ホイールクリックはかなり重めです。

各ボタンは癖がなく洗練されたクリック感で、幅広いゲームに適しています。また、全てのボタンは静音性が効いているためとても静かです。

ワイヤレス

有線マウスからワイヤレスマウスに乗り換えを考えてる方は、遅延や通信の安定性に不安を抱く方も少なくないでしょう。G703hではそのような心配はいりません。

G703hに搭載されている『LIGHTSPEEDワイヤレス』は、Logicool独自のE2E(エンドツーエンド)が採用されています。安定性が求められるゲーミング環境で使われることを想定して設計されており、有線よりも速い転送速度と安定性が特徴です。

これまで『LIGHTSPEEDワイヤレス』搭載のLogicool製品を使用してきましたが、一度も遅延や接続切れを経験したことはありません。

バッテリー

バッテリーの稼働時間は1回の充電で、ライティングありで最長35時間、ライティングなしで最長60時間です。フル充電に掛かる時間は約90分となります。

1日に2、3時間程度の使用ならば1週間に1回の充電で十分です。私はライティングを消した状態で使用してますが1〜2週間に1度のスパンで充電しています。体感的には「あれ?まだ半分ある」って感じです。

最適な持ち方は?

G703hは、かぶせ持ちとつかみ持ちに適したマウスです。その一方で、つまみ持ちには適していません

かぶせ持ち

エルゴノミクス形状なので、かぶせ持ちと相性がいいです。マウスに手を乗せるだけで吸い付くようなフィット感がえられます。

つかみ持ち

やや大きめのサイズなので、持った時に安定感があります。ただし、G703hはマウス後部にややふくらみがあるので、若干ですが手を立てなければいけません。手の小さな女性には窮屈に感じるかもしれません。

つまみ持ち

エルゴノミクス、左右非対称、やや大きめのサイズ、95gの重さ、を考慮するとおすすめできません。G703hのマウス後部は、ややふくらみがあるためマウスを手前に引いた時にマウスの後部が手の平に当たります。これによって可動域が制限されるため、かなり相性が悪いといえます。

「Logicool G Hub」はワンクリックの簡単操作

『Logicool G Hub』の設定画面1

G703hはLogicool Gのソフトウェア「Logicool G Hub」に対応しています。LIGHTSYNC、割り当て、感度(DPI)の設定が可能です。

LIGHTSYNC ホイールとロゴのライトエフェクトをそれぞれ設定することができます。ライトエフェクトはいくつかのパターンが用意されておりワンクリックでオンとオフの設定ができます。

割り当て マウスの各ボタンに好みの割り当てを設定することができます。

感度(DPI) DPIは最小100から最大25600まで50刻みで設定することができます。ポーリングレートは1000/500/250/125の4段階の変更ができます。DPI変更ボタンの誤クリックを防ぐためのロックも可能です。※2020年9月にアップデートが入り、DPIの上限が16000から25600に増えました。

持ち方によってはサイドグリップが削れる

サイドグリップは削れる

G703hは両サイドはラバーサイドグリップが採用されています。ゴム製なので私のようにつかみ持ちで使用している場合は、小指のあたるグリップの部分が画像のように削れていきます。G703hに最適なかぶせ持ちであればマウスに手をベタ付けにしてるので問題ないかと思います。

結論

Logicool G703hはゲーミングワイヤレスマウスの傑作です。完成度は最上位モデルの「G PRO ワイヤレス」と肩を並べます。基本性能は「G PRO ワイヤレス」と同じであり、違う点は形と重さのみにも関わらず、価格は約半額というコスパのよさが魅力のマウスですね。

特に優れてる点に安定性があげられます。Logicoolのワイヤレス製品に搭載されている「LIGHTSPEED ワイヤレス」は本当にいい技術だと思います。有線を超える転送速度が特徴で、ワイヤレスの不安要素である遅延や干渉、または安定性に悩むことがありません。

唯一のデメリットは、つまみ持ちに適してないことです。形状、重さ、サイズを考慮するとおすすめできません。素直に「G PRO ワイヤレス」をおすすめします。ただし、かぶせ持ちの方には「G PRO ワイヤレス」よりも圧倒的におすすめできます。

只でさえ選択肢の少ないゲーミングワイヤレスマウスの中で、G703hは最良な選択肢のひとつです。かぶせ持ちのワイヤレスマウスを探しているなら、とてもいい買い物になるでしょう。

『Logicool G703h』を開封
Logicool G703h
設計
9
性能
9
使用感
9
価格
9
ポジティブ
設計
性能
使用感
低価格
ネガティブ
持ち方が限定的
9